重要刀剣

末左 刀

No.316627

第六十二回重要刀剣 左文字 末左 大左一門 身幅3.5cm 重量900gの豪壮最高傑作 二尺四寸六分
極め 末左(大左一門)
登録証 昭和 40 年 10 月 7 日
寸法 刃長 74.6 cm (二尺四寸六分)・ 1.7 cm ・ 3.5 cm ・ 2.4 cm ・ 4.3 cm ・ 19.8 cm
0.68 cm ・ 0.78 cm ・ 0.45 cm
900 g
筑前 時代 南北朝時代
姿 鎬造、庵棟、身幅広く、反りやや深く、腰反りつき、中鋒延びる。
板目肌に、小杢目交じり、地沸微塵につき、地景よく入り、淡く映りたつ。
刃文 のたれて、互の目に、小互の目・丁子刃など交じり、湯走り・二重刃掛かり、足・葉よく入り、沸深くよくつき、所々叢沸がつき、金筋・沸筋・砂流し頻りにかかり、匂深く、匂口明るい。
帽子 乱れ込んで小丸。
大磨上、先切、鑢目切、目釘孔五内四埋。
ハバキ 銀色絵一重。
説明

筑前国左文字は、大左と通称され、実阿の子と伝え、銘文の左は、左衛門三郎の略という。相州正宗十哲の一人に数えられ、それまでの古典的な九州物の作域から大いに脱皮し、地刃共に明るく冴え、地景や金筋の目立つ新作風を確立した。現存する在銘の太刀は、国宝の「江雪左文字」のみであるが、短刀の作例は比較的多く残されている。左一門は、師風を受け継いで作刀し、南北朝期に大いに栄えた。大左の子と伝える貞吉・安吉を始め弘行・国弘などがいて、これらを末左とも呼称する。この刀は、元は三尺を超える太刀であったと思われ、身幅3.5cmと非常に広く、磨上げて尚重量が900gもあり、鋒延びる南北朝時代の豪壮な姿で、板目のつんだ鍛えに、小杢目交じり、地沸が微塵に厚くつき、地景がよく入り、肌だちごころに、映りが立つ地鉄に、のたれて、互の目・角がかった刃・丁子刃などが交じり、湯走り・二十刃かかり、地刃の冴えと働きには抜群のものがあり、力強く、覇気溢れ、働き盛な刃を焼く傑作である。左文字に極まってもよい出来の傑作である。

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