与三左衛門尉祐定(よそうざえもんのじょう すけさだ)

刀工名
与三左衛門尉祐定()
代別
初代
備前
流派
長船
刀工位列
最上作
時代(自)
文亀二年
時代(至)
天文十年
刀剣要覧
標準価格
18000000円
刀工大鑑
標準価格
18000000円

末備前の刀工は数多くいるが、その筆頭に挙げられるのが与三左衛門尉祐定で、初代は文亀から天文にかけて活躍している。華やかな腰開き互の目に蟹の爪を交えた刃文が特色で絶大な人気を誇る。

与三左衛門尉祐定(よそうざえもんのじょう すけさだ)

― 末備前最高峰の名工 ―

 

概要

与三左衛門尉祐定は、室町時代後期の備前国長船派を代表する刀工であり、「末備前(すえびぜん)」最高の名工の一人として知られています。多数存在する「祐定」銘の刀工の中でも最も高く評価され、「永正祐定」とも呼ばれます。活動時期は永正年間(1504~1521年)を中心に、大永・享禄・天文年間まで及びました。


経歴

備前国長船(現在の岡山県瀬戸内市長船町)で活躍した刀工で、末備前鍛冶の最盛期を築いた人物です。当時の備前刀は全国で高い人気を誇り、戦国大名や武将から多くの注文を受けました。与三左衛門尉祐定はその中心的存在であり、中国地方の有力武将らの需要に応えて数多くの名刀を残しています。


作風の特徴

姿(すがた)

  • 身幅が広く力強い。
  • 鎬筋(しのぎすじ)が高い。
  • 実戦向きでありながら均整の取れた美しい姿。

地鉄(じがね)

  • 小板目肌がよく詰む。
  • 地沸(じにえ)がつき、精美で潤いのある地鉄。

刃文(はもん)

  • 華やかな互の目乱れが主体。
  • 足・葉が盛んに入る。
  • 焼頭が二股に分かれる独特の互の目は「蟹の爪刃(かにのつめば)」と呼ばれる。
  • 匂口が明るく冴える。

帽子(ぼうし)

  • 乱れ込みながら先で小丸となるものが多い。
  • 地刃ともに冴え、完成度が高い。

評価

与三左衛門尉祐定は、古来より末備前第一の名工として高く評価されてきました。刀剣書では「末古刀最上作」に列せられ、数多くの祐定一門の中でも別格の存在とされています。特に俗名入りの「備前国住長船与三左衛門尉祐定」「備前国住中川与三左衛門祐定作」などの銘を持つ作品は高い評価を受けています。


現存する代表作

刀 銘 備前国住長船与三左衛門尉祐定

  • 永正年間作。
  • 与三左衛門尉祐定の典型作として知られる。

刀 銘 備前国住中川与三左衛門祐定作

  • 重要文化財指定。
  • 永正十八年(1521年)銘がある代表作。

刀 銘 備前国住長船与三左衛門尉祐定 天文九年二月吉日

  • 小板目肌がよく詰み、華やかな互の目乱れを焼く優品。
  • 末備前刀工の最高水準を示す作品として評価される。

系統と後世への影響

与三左衛門尉祐定は祐定一門の中心的人物であり、その流れは子の源兵衛尉祐定や後代の横山祐定へと受け継がれました。江戸時代の新刀備前派繁栄の基礎を築いた祖とも考えられています。


与三左衛門尉祐定の刀が持つ魅力

与三左衛門尉祐定の刀は、戦国時代の実戦刀としての力強さと、備前伝ならではの華やかな美しさを兼ね備えている点に最大の魅力があります。特に鮮やかな互の目乱れ、豊富な足・葉の働き、冴えた地刃は見る者を魅了します。末備前の中でも最も完成度が高く、古来より愛刀家や研究者から高い評価を受け続けています。


まとめ

与三左衛門尉祐定は、室町時代後期の備前長船派を代表する刀工であり、数多い祐定一門の中でも最高峰とされる名工です。華やかな互の目乱れと優れた地鉄を特徴とし、「末古刀最上作」に列せられるほど高い評価を受けています。その作品は戦国武将たちにも愛用され、今日でも備前刀の魅力を語る上で欠かせない存在となっています。

新着商品