特別保存刀剣  

生茎太刀 舞草 特別保存刀剣

No.644744

生茎太刀 舞草 平安後期保元頃 重要候補 日洲鞘書 匂深く匂口潤みごころの古雅な文化財級名品 二尺七寸四分
極め 舞草
登録証 東京都 昭和 27 年 8 月 30 日
寸法 刃長 83.1 cm (二尺七寸四分)・ 3.3 cm ・ 3.3 cm ・ 1.9 cm ・ 3.3 cm ・ 24.7 cm
0.75 cm ・ 0.87 cm ・ 0.45 cm
912 g
姿 鎬造、庵棟、身幅広く、反り深く、腰反り・踏ん張りつき、先細く、中鋒。
小板目肌つみ、杢目肌交じり、所々大肌交え肌立ち、地沸微塵につき、地景入り、映りたち、鉄明るい。
刃文 直刃調に、互の目・小互の目交じり、湯走り掛り、足・葉よく入り、小沸深くよくつき、金筋・砂流し頻りにかかり、匂深く、匂口潤みごころに明るい。
帽子 乱れ込んで焼き詰めごころ。
茎は、生ぶ、先栗尻、鑢目不明、目釘孔一。
ハバキ 金着一重。
説明

舞草(もぐさ)鍛冶は、文献的には奈良時代からあるが、平安中期に陸奥で起こった反乱討伐の前九年の役、五三年の役の後より、寛治元年(1087年)頃から奥州藤原氏の繁栄の元で、平泉で名工を輩出しており、古備前正恒の父も舞草鍛冶であったとという。舞草鍛冶には、現存する有銘のものは殆どない。この太刀が造られた平安後期保元頃は藤原秀衡が家督を相続した時期で、15年後に鞍馬寺を抜け出した義経を庇護している。この太刀は、完全に生ぶ茎となる作刀時の姿を留める希少な一口で、二尺七寸四分の長さに、3.3cmと身幅広く、重量も912gあり、腰反り・踏張つき、茎も大きく反り返る豪壮な太刀姿で、鍛は、小板目肌つみ、杢目肌交じり、大肌交え所々肌立ち、映りたち、肌目に粕立つところがあるなど、舞草ならではの地肌の見どころが伺える。刃文は、直刃調に、互の目・小互の目、湯走りかかり、小沸深くつき、煌めく金筋が頻りに掛るなど刃中の働き豊かで、匂口潤みごころに明るい古調な出来となる重要候補・文化財級の名品である。

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